戦後最高のSM奇書「家畜人ヤプー」の覆面作家と名指しされた 東京高裁 倉田判事の空しい反論(1)
裁判官がサドマゾ小説を書いてなぜ悪い、なんて議論はこの際、ちょっと待っていただきたい。法衣の似合わぬ絶叫調で「知らん、関係ない!」を連発なさったのは名指された判事さん。しかも「著者の代理人」だった人物が「私が書きました」と自ら名のりをあげた。全データを公開、大向うの判定を仰ぐしだい。
想像もつかない質問を投げつけられたら、まずは「は?何のお話でしょうか」と問い返すのが、世の中の常識というものだろう。それなのに倉田卓次判事は、テレビ局のマイクとカメラを前に、
「知りません!関係ありません」
と、終始興奮ぎみ。押し問答をくり返すうち、
「うるさいな、帰ってくれ!関係ないって言ってるでしょ。メイワクだ」
怒りとも悲鳴ともつかぬ声をあげて家の奥に姿を消してしまった。法廷での冷静な訴訟指揮とはあまりに対照的な言動---これが倉田判事の「反論」のすべてである。
あとを引きとった智子夫人が困惑の表情でつぶやいた。
「三十年も一緒に過ごしてきた主人です、その主人が嘘をつくわけがありません」
倉田判事宅を襲ったこの突風の発生源は、月刊紙『諸君!』十一月号に掲載された森下小太郎なる人物のレポートで、タイトルもずばり「『家畜人ヤプー』の覆面作家は東京高裁・倉田卓次判事」---。
・・・次号更新に続く