[3ページ目] 逆ユートピアの栄光と悲惨 | 康芳夫 official HP （家畜人ヤプー公式）

2020年11月9日

逆ユートピアの栄光と悲惨・・・18 その首尾一貫性の意味を探るためには、この奇怪な書物の著者沼正三に視線を転じなければならない。出版社との交渉等も一切代理人に委ね、一時死亡説さえ囁かれたこの謎めいた作家について、私は何 […]

2020年3月10日

逆ユートピアの栄光と悲惨・・・10 「ほんとうは不味いものを、信仰で錯覚させるのは、やはり使用者側の狡知ではありませんか？」という、批判を籠めた問いは、慈畜主義（チャリテイズム）を唱えてヤプーたちに福音をもたらした美しい […]

2020年2月18日

逆ユートピアの栄光と悲惨・・・8 ところで、読者は問われるに違いない。ヤプーをそこまで虐待する白人の側に、いったい罪悪感は無いのか、と。結論を先に述べれば、そんなものは綺麗さっぱりと無いのである。ヤプー猿人説は、最初政 […]

2020年11月30日

逆ユートピアの栄光と悲惨・・・19 容易に医す術のない内的飢渇のカタルシスを果たすために、沼正三は雑誌「奇譚クラブ」に、「ある夢想家の手帖」と題して、マゾヒズムに関するエッセイを連載するのだが、やがて、SF的手法と壮大な […]

2020年6月1日

逆ユートピアの栄光と悲惨・・・14 何にまれ、久しく保持されてきた視座をくつがえし、新しい地平を開くには、思い切った転換が必要となるが、マルクーゼの構想が、歴史的過程のうちで失われた過去の神話時代への回想を根底にもってい […]

2021年2月8日

逆ユートピアの栄光と悲惨・・・20 先にもじり遊びに触れたが、その材料に「靖国」や「九段」がとりあげられているのを見た時、私は、著者の世代が蒙らざるを得なかった内面的傷口の深さをまのあたり眺めたような気持ちがして、しばし […]