プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著)精神科医 川尻徹
エバ・ブラウンとヒトラーは血族だった!?(1)
川尻博士は資料の山をひっくり返して、また一枚の写真を指し示した。窓を背にしてヒトラーがエバ・ブラウンと並んで寛いでいる写真だ(写真24)。
「説明によると、これはレストランでランデブーしているヒトラーとエバ・ブラウンですね。これが何か・・・・・・?」
「いいかい、二人の顔をよく見てごらん。男女差、年齢差を超越して共通したところが見られないだろうか」
「・・・・・・」
中田は、川尻博士に指摘されて気がついた。そこに写っているヒトラーとエバ・ブラウンは、鼻すじを中心として容貌がきわめて似ているのだ。彼はギョッとした。
「まさか、博士・・・・・・。二人は血族だと・・・・・・!?」
「その、まさかなんだよ。中田君」川尻博士はニヤリと笑った。
「ここに写っているヒトラーは”ダブルA”、つまりアロイスニ世のほうのヒトラーだな。そしてよく見ると、隣りにいるエバ・ブラウンと容貌、顔の輪郭が酷似している。まるで父親と娘のようにな・・・・・・。そう思うだろう、君も?」
「ええ・・・・・・。では、エバ・ブラウンは、アロイスニ世の実の娘だと言うのですか」
「私が言うのではない。この写真が語ってくれているんだ。性差、年齢差を超えてこれだけ似たカップルというのは、同じ血統としか言いようがない。むしろ、実の父娘と考えたほうが妥当だ。そして、アロイスが重婚したとして告訴された側の女性にも、子どもがいたとしたら、当然、そういう結論が導かれる」
・・・・・・・・・次号更新【エバ・ブラウンとヒトラーは血族だった!?(2)】に続く