沼正三著『家畜人ヤプー』を出版したローレンス・ヴィアレ氏に聞く(3)
---マルキ・ド・サドは日本でも人気のある作家ですが、「サド賞」というのは、どのような作品に与えられる賞なのでしょうか。
ヴィアレ 基本的に、常識とはかけ離れた世界を描き、また人間のエロティシズムを描いた作品に与えられる賞です。審査委員の一人を、「アート・プレス」の編集長であり、作家でもある、カトリーヌ・ミエが務めています。
---受賞の時の感想は?
ヴィアレ 今の時代に、このような大作を刊行する出版社への支援として、賞をいただいたんじゃないかと思いました。また、作者の沼正三さんにとって、サド賞は、大きな意味を持つものではないかと考えています。
---ヴィアレさんにとって初めての日本文学の翻訳出版が好意的に受け入れられたことには、今どのように感じられていますか。
ヴィアレ 期待していたことが現実に叶えられて嬉しく思っています。逆に無視されていたら、がっかりしていたと思いますけれども、文学作品としてきちんと受け入れられて、評価されたことが何よりも嬉しいことですね。
・・・次回更新【沼正三著『家畜人ヤプー』を出版したローレンス・ヴィアレ氏に聞く】に続く