拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」:Fukujin N0.11 2006

拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」・・・23

拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」:Fukujin N0.11 2006

上杉 マルクス主義というのが言われなくなってきているのに対して、ドイツドのユダヤ系の問題は取り上げられることが多くなって・・・・・・。

康 多くなってはいませんね。今から7年前に岩波から翻訳が出たんだけど、ハーバードの西欧政治思想史教授リチャード・ウォーリンが書いた『存在の政治』っていうね・・・・・・これはハイデッカーとナチズムという難問に関してアメリカの西欧思想研究者としては珍しく非常によく書けている。朝日新聞とか書評に取り上げるかと思ったら誰も対応しない。逃げちゃって。ぜひ読んでください。おもしろい本ですよ。

櫻木 一言で要約できませんか?

康 ずばりハイデッカーとナチズム問題の本質に触れていますよ。でも、アメリカ人は最後はデモクラシーだからね。そこで限界があるわけだが。でも、その上に立ってギリギリのところまで極めている。

澁澤 民主主義は超えなくちゃいけないんでしょ?

康 思想としての民主主義ってないと思うんですよ。でも、デモクラティックであることは必要だと思う。フリーであるというか。そこからアナキストとかいろいろ出てくるわけでしょ?デモクラシーが究極じゃないんだから、過程なんだし、アメリカ人はバカだから、日本人も感化されちゃってる。究極がデモクラシーなんてないじゃないですか。そこからいろいろなものが出てきて、我々がデモクラティックでなければならないだけで。

・・・以上、拝聴 康芳夫先生「神を呼ぶ男」:Fukujin N0.11 2006 より抜粋

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『Fukujin ~漬物から憑物まで~』明月堂書店

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