虚業家宣言:康芳夫

来日中止騒ぎの真相(2)

ところが、それからわずか四日後の十二月二十一日、ゴードン・ミルズは、前言を取り消して、来日することにしたと再発表。利益の一部を児童福祉施設に寄付することにしたという。

これで、また人気が盛り上がったのだ。一度、「やっぱり来ないんだ」と思わせておいて、「ほんとに来る」となれば、その価値は二倍にも、三倍にもなったように感じるものなのである。

もう、おわかりだろう。この”来日中止騒動”はすべて私とミルズが仕組んだものだったのである。ミルズに、あの発表をさせたのは作戦だったのである。考えてもみてほしい。トムが入場料の高低を問題にするわけがないのだ。自分は史上最高という二十万ドルのギャラを取っておきながら、何が大衆のためだ。そんなことを言うわけがない。

心理学的にも十分、理にかなっていると思うがどうだろう。日本で大騒ぎしている頃、私はパリのジョルジュ・サンク・ホテルの一室で、ゴードン・ミルズと祝杯を上げていた。

「これで、トム・ジョーンズ日本公演の成功はまちがいない」

・・・・・・次号更新【糸山英太郎のこと】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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