虚業家宣言:康芳夫

米国記者と英国記者のイガミ合い(2)

こんな質問が出た。

「ネッシー探検というのはカモフラージュであんた方の真の目的は日本の企業に頼まれて、北海の油田を探りに来たんだろう。潜水艇を使うというのがその証拠だ。ネス湖の水は透明度が低いから潜水艇を使ったって三メートル先も見えない」

「余りに奇妙な質問なんで、答えようがありませんナ。ご想像にまかせますよ」

だが、実は、この質問に内心、私はギョッとしていたのだ。私の痛いところを衝いていたからである。さすがに日本の記者と違い、鋭いところを衝いてくる。この"石油”のことについては後の章で書く。

スポンサーについては、私はあくまでその名を明かさなかった。

「金はすでに払ってもらったところもあり、これからのところもある。個人四、企業六の割合だ。名前は言えない」

「どういった会社か?テレビか?鉄鋼会社か?」

「いずれも違うとしか言えない」

「しかし、スポンサーというのは名前を出したがるものだろう。見返りもなしに金を出すスポンサーはいまい」

「あなたがたは、誤解しているのだ。日本の企業がすべてエコノミック・アニマルばかりというわけじゃない。冒険、夢を買いたいという人物もたくさんいるのだ」

「うーん、ミスター・コオ、あなたの方がネッシー以上にミステリアスだ」

「お断わりしておくが、名刺にも書いてあるとおり、この探検隊は日本のものではない。インターナショナルなものだ。私は中国人だし、隊員の中にはアメリカ人も英国人もいる。たまたま、ベースを東京にしただけだ」

・・・・・・次号更新【米国記者と英国記者のイガミ合い(3)】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』

真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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