虎と空手武道家の死闘ショー(4):最強の空手家 VS. トラ
私はいろいろなプランやアイデアを練る時、じっくりと周辺調査し、文献を調べあげてから綿密にプランを練りあげる場合と、その場でひらめいた瞬間、ほぼ大筋の計画が見えてしまう場合とふた通りある。その夜、忘年会の席上で国士舘大学空手部師範の山元守と並んで豪快に日本酒を浴びながら、私は後者の流れで次の計画のほぼ大筋を完成させてしまったのだ。
彼は自己紹介や雑談をしながらしばらくして私に向かってこう言った。「康先生、私はどんなものが相手でも、空手で倒す自信がありますよ。康先生が準備してくれたらトラとだって闘ってもいい。絶対、一撃で殺してみせます」。
アミン大統領のような人間にでも食いつきそうな凶暴で岩のような顔を私にグッと近づけ、かっと眼を見ひらいて彼は私にそう言ったのだ。
・・・虎と空手武道家の死闘ショー:続く