虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝/康芳夫(著)より
精神医学にひかれる(1)
実は、この頃、私は学校というものを冷静に分析していた。学校教育なんて本来、まったくつまらないものである。しかも、当時の海城はレベルが低かった。人間、馬鹿なやつらと一緒にいると自分も馬鹿になる。だから、こいつらと一緒に勉強するとだめになると思って、ひそかに独学していたのだ。勉強なんて参考書や教科書で基本をしっかり憶えればそれでいい。学校という枠組みに入らなくても、自己管理がしっかりできれば問題ない、そう考えていた。
私はスポーツも同様に考えていた。当時、私は卓球をやっていた。これも、学校のいわゆる「卓球部」ではない。街の卓球練習場に行って練習していたのだ。ただ、スポーツは自己流だと変な癖がついてしまう。そう思って、私はちゃんと大学の体育会系のインストラクターについて練習した。かつあげで稼いだ金の一部を月謝にあてていたのだ。赤線だけではなく、健全な行動にもちゃんと資金をバランスよく使っていたのだ。
そして、ついに東京都の大会でシングルス部門に出場し、準々決勝まで勝ち残ってしまった。これにも先生は驚いた。「おまえ、いつどこで卓球をやっていたんだ」とあきれかえってしまった。卓球部の連中も不気味がって近寄らなかった。とにかく、これにも学校中が驚いた。
・・・次号更新【『虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝』 official HP ヴァージョン】に続く
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悪魔をも受け入れるほどの器を持っていないと虚人にはなれない。精神がそこまで柔軟でないと、世間を真にびっくりさせるようなことはできない。
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