虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝/康芳夫(著)より

虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝/康芳夫(著)より

アートフレンドの倒産(1)

しかしながら、御木徳近師の言葉を心の支えとして呼び屋稼業に専念しても、現実的な金銭問題からはやはり逃げられなかった。「大西部サーカス」でこうむった痛手は深く、大口債権者から矢のような催促が連日続いていた。そして、さらにそんな神彰に迫い討ちをかけるような問題がまた起こってしまった。

ある日、創業当時からアートフレンドアソシエーションを神彰と支えてきた数人の幹部が造反を起こしてしまったのだ。そして、彼への非難を各メディアに喧伝しまくった。

複雑な事情はあったが、結果的に信頼していた幹部に裏切られた彼のショックは大きかった。借金問題よりも精神的ダメージは大きかったかもしれない。

毎晩、青ざめた顔をして帰ってくるなりベッドに横たわって「アートフレンドももうおしまいだ」といって嘆く神彰を、夫人の有吉佐和子が慰める毎日だった。

・・・次号更新【『虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝』 official HP ヴァージョン】に続く

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