『滅亡のシナリオ』:プロデュース(康芳夫)

プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著)精神科医 川尻徹

総統の代理人として歴史を動かす人物

プロパガンダの天才・ゲッベルスとの出会い

「・・・・・・これで分かるとおり、神の王国を築くには、まず言葉が大事だと聖書は教えている。つまり、プロパガンダ(宣伝)により人間を動かせと言っているのだ。だからヒトラーは、プロパガンダの専門家を必要とした。それがゲッベルスだった」

「しかし、ヒトラー自身、プロパガンダの専門家だったのではないのですか。ノストラダムスの予言にも有名なのがあるでしょう。えーと、第三章の三五番でしたっけ」

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西欧の最も深いところから

貧しい人々の中から若い子どもが生まれ

彼は舌は多くの人々を魅了して

その名声は西の方の王国にまで広まる

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「うむ。その予言は、誰もがヒトラーの出現の詩だと思っている。だが、違うのだ」

川尻博士は首を降って、これまで ”定説” とされたことを、いとも軽々と否定した。

・・・・・・・・・次号更新【総統の代理人として歴史を動かす人物(2)】に続く