いっせいに批判を開始した英国紙(3)
それにしても哀れな話ではないか。かつてイギリスといえば、スペインの無敵艦隊を撃破し、七つの海に雄飛した国だった。キャプテン・キッドの国だった。キャプテン・クックら、海の英雄を輩出した国だった。
私は中学生の頃読んだ冒険船長・ドナルド・オスボーンの物語のいくつかのシーンを今も鮮明に思い出すことができる。十五少年漂流記もそうだった。ロビンソン・クルーソーもイギリス人だった。
大英帝国の富と栄光は、そういう彼ら、冒険老たちのロマンと勇気によって築かれたのではなかったか?
それが、どうだ。今は、せいいっぱいの皮肉で冒険者を遇することしかできないとは。イギリスは、今や瀕死の巨象、いや瀕死の小豚だ。
話はとぶが、つい先日、私はある仕事でロソドンに行った。
打ち続く石炭スト、週休四日制の実施で街は暗かった。もともと最近のイギリスはファッションとロックしか誇るべきものがなかったが、それも、もはや、時代に取り残されてしまった感が深い。
節電のため、ビルの照明、暖房は極端に制限されている。そして、お互いウの目タカの目で、節電時間を守っているかどうかを看視し合い、密告し合っている。
ことに、私に、これでもう英国もおしまいだな、と感じさせたことが一つあった。
英国はちょうど、労働党内閣が解散を宜し、総選挙の真っ最中だった。どちらが勝つにしろ英国民にとっては、今後の国の運命を決定する大切な選挙である。
ところがどうだ。選挙民の関心はもっぱら、選挙トトカルチョに向いているのである。
街のいたるところで、
「オレは保守に十ポンド賭けた」
「アタシは労働党に三十ポンド賭けた」
などとやっている。
街中で、ちょうど日本の場外馬券売場のような感じで”選挙クジ”を売り出しているのだ。多いのは一人で八百ポンドも賭けたのがいるそうだ。
議会主義のお手本とされる国がこの有様である。日本も決して良いとは言わないが、少なくとも選挙トトカルチョなどというものは聞いたこともない。
・・・・・・次号更新【主体性を欠く朝日新聞】に続く
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