虚業商法十カ条:第一条『金を儲けようと思うな』
昭和二十六年、ハリウッドのスターと称するケニー・ダンカンなる人物が来日した。”呼び屋”の水島弥市(大洋芸能プロ社長)が呼んだもので、「乗馬よくし、投げ縄を操り、二丁拳銃の早業は目にもとまらず・・・・・・」というフレ込みだった。
ところが、これが完全なガセだったのである。ケニー・ダンカンはハリウッドのチョイ役で、馬には乗れず、投げ縄はちっとも飛ばない。ピストルに至っては握ったこともない・・・・・・ほどではないにしても、的に当たらない。とても全国を回れるシロモノじゃないことだけは確かだった。
しかし、すでに全国の小屋主と契約を結び、ザッと五百万円ほどの契約金をもらっている。今さら、ダメでしたなどと言えば、殺されかねない。
そこで水島が考え出した手がふるっている。窮余の一策、彼は奇術師を呼んで、ダンカンがピストルを撃つと同時に、その奇術師にタガネで穴をあけさせたのである。目にも止まらぬ早業で的に穴があいていくから、まるでほんとうにダンカンが撃ったように見えたという。ウソのような実話だ。
《ケニー・ダンカンの来日は呼び屋の商法にパターンを作った。すなわち、虚実とりまぜて(時には、まるきりウソ、デタラメで)人の意表をつく宣伝であり、”権威”とのタイアップである・・・・・・》
竹中労氏はそう書いている。
”虚業”の本質をズバリ衝いていると思う。
ただ、私は一つ、これにつけ加えたいことがある。”虚業”で儲けようと思うなということだ。
いい例が、創価学会と日本共産党である。その代表たる池田大作と宮本顕治である。彼らの一方は、現世利益、もう一方は革命という”夢”を売っている。実体のない(と私は思う)ものを”意表を衝く宣伝”と”権威とのタイアップ”によって大衆に売りつけている。それなら彼らは虚業家だろうか?
答えは否だ。よく考えていただきたい。私は”虚業家”としてホラを吹いて商売をしている。だが、それで儲けてやろうとか、権力を握ろうなどとは考えたこともない。そこが逮うのだ。
池田にしろ、宮本にしろ形のない幻想、ホラを売っている。幻想を売ることを組織化し、継続化し、そしてシステム化している。組織はそれ自体、堕落腐敗する性質を持っているというが、まさにそのとおりなのだ。
”夢”を売りながら、池田も宮本も、自分自身は決して夢を見ようとはしない。
・・・・・・次号更新【虚業商法十カ条:第二条】に続く
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真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。
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