天野哲夫は、『週刊文春』10月14日号で
天野哲夫は、『週刊文春』10月14日号で
〈「うーん」
と、天野氏は一瞬絶句。
「確かに、倉田さんの字によく似ていますね。この手紙を見せられたら、手紙の主が作者だと考えるのは不思議ではないですよ。しかし、『家畜人ヤプー』を書いたのは僕なんだ。どうしてこんな風に書いたんだろう・・・。ショックです。驚いた」〉
と語っている。
森下は、この文章に、〈作者でもない倉田さんが『ヤプー』の構想を〉こんな風に書いたんだろう・・・。と天野発言に註を入れている。
二度目の論考で、森下は、天野が「沼正三」ではあり得ないと示そうとする。
「家畜人ヤプー」の単行本刊行の時の著者の赤入れの文字が、天野の筆跡と違っていたという矢牧一宏都市出版社社長の言説である。
さらに、天野が、TBSの取材で見せた、オリジナル原稿が「家畜人ヤプー第二十九章」だったこと。つまり、『奇譚クラブ』連載は、二十八章で終了していて、このオリジナル原稿は『奇譚クラブ』のものではないとのこと。さらに、『週刊文春』に見せた第一章は、天野哲夫が勤務する新潮社の社名入りの原稿用紙で、天野は新潮社に67年に入社していて、56年の第一回とは年代があわないこと。
森下は書く。オリジナルは、沼正三の願いで、『奇譚クラブ』の吉田社長が、焼却してしまったのだと。
・・・次号更新【連載「沼正三」をめぐる謎 高取英】に続く
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幻の作者探しにも、ようやく終止符がうたれるわけだ。しかも、闇の中から姿を現わした「天才」( #三島由紀夫 の言葉)が、現役の裁判官だったとは:倉田卓次(東京高等裁判所裁判官):週刊文春(昭和57年 10月14日号)より #家畜人ヤプー pic.twitter.com/3uttaNbcat
— 家畜人ヤプー倶楽部 Executive Producer 康芳夫 (@yapoo_club) May 14, 2019
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