『諸君!』昭和57年(1982年)11月号:衝撃の新事実!三島由紀夫が絶賛した戦後の一大奇書『家畜人ヤプー』の覆面作家は東京高裁・倉田卓次判事昭和四十四年

『ぜひ、あれを見つけ給え。あれこそは戦後最大の傑作だよ。マゾヒズムの極致を描いたまったく恐ろしい小説だ。出版する価値のある本だ』

そう三島由紀夫は小生に熱を込めて家畜人ヤプーの内容を語りつづけた。

康芳夫、三島由紀夫を語る(4)

一度日生劇場で、三島の原作を石原慎太郎かなんかが演出するって時にも、舞台稽古の合間にすれ違ったな。その時は「ああ、君、しばらくだね」という程度。石原慎太郎にも三島は「あいつはなかなかやっかいな男だから、気をつけなさいよ」って後で言ってたらしくて、石原慎太郎にもいろいろ聞かれたけれど、しかしオレとの間に直接問題があったわけじゃないからね。だけどむしろ『家畜人ヤプー』に関して言ってみれば、こっちは恩恵を受けてるわけだし、それからずっと会わないうちに例の事件が起きて、結局彼はああいうことになっちゃった。

・・・『虚人と巨人 国際暗黒プロデューサー 康芳夫と各界の巨人たちの饗宴』より抜粋

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