ヒトラーは第二次大戦後も生きていた!(2)

『滅亡のシナリオ』:プロデュース(康芳夫)

プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著)精神科医 川尻徹

「どうして、そんなことが分かるんです?」

「それもまた、証拠があるからさ」

川尻博士は、最後の”実体”の写真に並べて、おもむろに、一枚の写真をスライドで映した。

「中田君。これが、第二次世界大戦が終わった後も生き延びた、実体のヒトラーの写真だ」

それは、背広を着、ネクタイをきっちりと締めた初老の男の写真だった。写真はやや右前方から撮っているので、男の右の頬がハッキリと見えた。そこには、実体のヒト一ラーの徴である母斑がくっきりと浮かびあがっていた・・・・・・!(写真20参照)

「この写真は一九五◯年に撮影された。五年経過しているから頭はかなり禿げている。しかし、この男にカツラをかぶせ、軍服を清せたらどうなるだろう」

「あ・・・・・・!」

中田は息を呑んだ。意志の強さを示すように引き締められた口許、特徴のある大きめの耳、そして鼻・・・・・・。そこには、一九四五年四月三〇日に死んだと、あらゆる歴史書に書かれているドイツ第三帝国の総統、アドルフ・ヒトラーの顔が鮮やかに刻みこまれていた!

(これは、実体のヒトラーなのか!?だとすると実体のヒトラーは、間違いなく戦後も生きていたのか・・・・・・!)

中田の体の中を興奮が駆けめぐった。

「軍帽を被ったヒトラーの写真(写真22)と比較してみたまえ」

博士は、中田信一郎にもっと確認させるため、スライドを交互に映し出してみせる。

「うーん、なるほど・・・・・・」

・・・・・・・・・次号更新【第一のダブルは異母兄アロイスだった!】に続く