狂乱のステージ(2)
「トームーッー!」
かぶりつきの女の子たちが、いっせいに舞台にかけ寄りハンカチを差し出す。トムは、いちいち、それで汗をふいては、また女性客へ。『愛の誓い』、『ディライラ』の頃になると客席の興奮は極に達した。
一人の女性が、どこで用意したのかトムの好きなシャンパンをグラスと一緒に差し出した。うまそうに飲み干したトムは、お礼のつもりか、その女性にキス。それも、あいさつ代わりのほほにチュッなんていうのと違って唇と唇を合わせ、舌を差し入れてのディープ・キス。
嫉妬の余りか、客席からは、ホーッという溜め息が洩れた。
『見果てぬ夢』、『シー・イズ・ア・レディ』。トムは腰をストリップ・ティザーのようにぐるぐる回転させて歌う。ハチ切れんばかりに盛り上がった彼のセックス・シンボル。
興奮した女性たちが次々とトムの足にすがってはキスを求める。
「プリーズ、プリーズ・キス・ミー!」
「ワンモア・プリーズ」
その一人一人に、トムはやさしくキスをするのである。
『ラブ・ミー・トゥナイト』のときの猛烈なヒップ・アクションに、思わずしゃがみ込んでしまう女性もいた。
そして、フィナーレ。
・・・・・・次号更新【狂乱のステージ(3)】に続く
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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。
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