音楽界へ乗リ出す(1)

虚業家宣言:康芳夫

クレイ戦の興行的大成功によって私は、すでに何年間か遊んでいても食えるだけの金は手にしていた。

ハッキリ金額を書くわけにはいかないが、マイアミ、あるいはコート・ダ・ジュールに別荘でも買って、のんびり暮らそうと思えば暮らせるぐらいの金である。

私が、金儲けのために仕事をしているのなら、すぐにでも、そうしただろう。あるいは優良会社の株を買い占めて、その会社に高く売りつけることだってできた。銀行利子だけでも食ってはいけたろう。

だが、私が仕事をしているのは、金のためではない。金儲けを第一義とするなら、私はもはや虚業家ではあり得ない。松下幸之助、盛田昭夫なみの”実業家”になり下がってしまう。私はあくまで”虚業家”でいたいのである。

スポーツの世界はすでに制した。

「それなら次は音楽の世界を制してやろう」

そう私が思ったのは偶然ではない。もともと東大で初めてジャズ・フェスティバルを開いたことでもわかるように、私は音楽に並々ならぬ関心を抱いていたのである。といって、呼び屋の世界には自称”音楽屋”さんたちがたくさんいて、たいていの世界の音楽家は、だれかのツバがついているのも知っていた。

大物過ぎて、彼らが手を出せない奴はいないか?

そのためには誰を呼んだらいいのか。

それを選ぶに当たって私が考えた条件は、次の二つであった。

・・・・・・次号更新【音楽界へ乗り出す(2)】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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