虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝/康芳夫(著)より
父との離別、そして再会(3)
父は上海軍事法廷で無罪を言いわたされた後、半強制的に国民党の医師としての任務につかされ中国大陸に渡った。国共内戦が激しくなると医師の需要は高まってくる。当時、医師は貴重な存在だ。特に日本で本格的な医学教育を受けた父は、国民党軍にとっては喉から手が出るくらい、欲しい存在だったのだ。無罪の判決を受けた父は当然、日本に帰国したい。しかし有無をいわせず連れていかれた。そこで、国共内戦に巻きこまれた父は、どういうわけか今度は共産党軍側の従軍医としても活躍するようになる。そのへんの経緯は死ぬまでくわしく話さなかったが、当時の国共内戦は相当混乱していたらしい。
・・・次号更新【『虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝』 official HP ヴァージョン】に続く
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一寸先は闇、の不安きわまりない世界。
まさに一発勝負、大金を握ってディーラーと向かいあうような緊張感、
体を張って生き残る独特の世界こそ「呼び屋」の醍醐味。
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