レフェリー・アリ、呼び屋・康氏・・・役者ぞろい!!:東京中日スポーツ(昭和54年1月26日)

アミン大統領(4):食人大統領 VS. 猪木

私は即座にアリに打診した。大統領にとってアリは偉大なボクサーであり、かつ回教徒でもあり、尊敬すべき同胞なのだ。私の描いたプランはこうだ。狂気の人食い大統領アミンとアントニオ猪木のデスマッチ。そしてレフェリーは、世紀のヘビー級チャンピオン、モハメッド・アリ。まさにアリと猪木の世紀の凡戦の仕切りなおし、これぞ正真正銘の二〇世紀最大の話題を集める異種格闘技戦だ。

アリはこの計画に即答、マネージャーの心配をよそに「おもしろい。彼にはOKさせるとミスター康に伝えてくれ」と言ってくれた。そしてアントニオ猪木ももちろん即答で快諾してくれた。猪木にとってはアリ戦でこうむった不評を払拭しなければいけない。金銭的なことより名誉挽回に迫られていたのだ。乗らないわけがない。そして当の本人、イディ・アミン、アミン大統領もいささか興奮気味に一発回答で「OK」を出したのだ。

・・・アミン大統領:続く

劇画のようなありえない格闘技試合