アミン大統領(8):内戦、そしてアミンの追放
アメリカの三大ネットワーク局、NBCも中継したい、と即座に電話がかかってきた。私は条件面で合意し契約した。日本でも日本テレビと仮契約を結んでいた。後で聞いた話だが、NBCでは内部的にモスレム系のアミンに反感があって、反対意見もあったらしいが、企画の圧倒的なおもしろさで中継を決めたらしい。
そしてこの記者発表に前後して、あるハプニングも持ちあがった。在日ウガンダ大使館が「我が国の大統領が日本のプロレスラーと闘うわけがない。すべてミスター康のでっちあげだ」と否定声明を出したのだ。三五歳前後のまじめなエリート大使だったが、まさに自国の大統領がこんな試合をやるはずがない。また、本国からも何の打診もない、と真剣に怒りだしたのだ。
たしかにこれも無理のないことだった。私は大統領と直接会って話をどんどん進めてしまった、側近たちも大統領が言うことを黙って聞くだけ。本国に確認しても、ノーともイエスとも返事はなかったらしい。しかし最後は結局、大使館も大統領のわがままに黙ってしまったのだ。これもある意味でいい宣伝材料にはなった。
・・・アミン大統領:続く