虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝/康芳夫(著)より

虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝/康芳夫(著)より

中国服で構内を闊歩(1)

昭和三二年、京大、東大は試験がむずかしすぎることもあって、私は結局、横浜国立大学に入学したがすぐ中退し、翌年東京大学に合格して、最終的に教育哲学を専攻した。大学時代の私も波乱万丈だった。

高校時代いくら不良だった生徒でも、東大に入るとまじめに勉強するのがふつうかもしれない。しかし、私の行動の奇想天外さはさらに大学時代で磨きがかかった。

入学早々、私は東大でも有名人になってしまった。いまでこそ、大学のキャンパスを歩く学生のファッションはカラフルで自由な気風にあふれているが、当時の大学は黒に金ボタンの詰襟服が全盛期。特に、東大では半分以上の学生が詰襟に角帽姿で、これがいかにも東大エリートの象徴のようにも思われていた。

そんな大学のキャンパスを私はまっ赤なチャイニーズドレスを着て闊歩していたのだ。おまけに髪は肩までのロングヘアーだ。まだ、ビートルズ旋風の吹き荒れる以前の話。当然、ヒッピースタイルなど生まれるはるか前の時代だ。私のこのまっ赤なチャイニーズドレス姿は黙っていても、大学中の注目を集めたのである。

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虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝/康芳夫(著)より

マスコミの連中から毎回、同じ質問を浴びせられるのだ。

「何でこんなことするんですか?」と。

小生自伝『虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝』 official HP ヴァージョン

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