虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝/康芳夫(著)より
中国服で構内を闊歩(2)
小学校時代から学校の規則や規制にはまったく縁のなかった私だが、東大時代にそれがよりいっそう、意識的な行動として現れだしたのかもしれない。とにかく、日本の権威を象徴するような黒ぶちめがねをかけた東大エリートたちに対し異様な反発を感じていたのは事実だ。決してただ目立ちたい、というだけではなかったのだ。とにかく、この中国の民族服にある種の執着心を抱いていたのかもしれない。
入学早々、こんな格好で歩く新入生を保守的な先輩諸氏がこころよく思うはずがない。何回も体育会系とおぼしき学生に囲まれて「どこの学部だ。学生証を見せろ」などと詰めよられた。
・・・次号更新【『虚人魁人 康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝』 official HP ヴァージョン】に続く
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茅総長はこの私のワナにまんまと引っかかってしまったのである。茅誠司という人物は他の学長などとくらべても数段、善人なのだが、善人過ぎるというのも、時として困りものである。
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