来日中止騒ぎの真相(1)
高額切符でまんまとトム・ジョーンズのイメージ・アップに成功した私だが、まだ、それだけで十分とは思っていなかった。トム・ジョーンズのイメージ・アップ作戦の第二弾、それが、例の”トム・ジョーンズ来日中止声明”の一幕なのだ。
前売券発売の一日前、十二月十七日のことである。
AP電が、驚くべきニュースを伝えてきた。トム・ジョーンズのマネージャー・ゴードン・ミルズが、来日中止を発表したというのである。理由は、
「三万円という入場料は高すぎる。日本のトム・ファンが必要以上の高料金を取られるのは忍びない」
さあ、また、大騒ぎだ。前売券の発売は即時延期。事務所には問い合わせの電話が殺到した。R企画を初めとする”呼び屋”たちは、ここぞとばかりに攻撃をしてくる。
「やっぱり、ガセだったんだ。康なんていう奴にトム・ジョーンズを呼べるわけがない」
私はパリにいたが、記者たちに激昂した口調でこういう意味のことをしゃべった。
「まさに寝耳に水の驚きだ。一週間前にチューリッヒで会ったときに、ギャランティを下げるならチケットの価格を下げると提案した。その結論も出さないうちに、抜きうちにキャンセル発表とは絶対に許せない。ゴードン・ミルズは日本人をナメているのではないか。
もし来日が本当に中止になったような場合には、こちらにも考えがある。最終的には損害賠償の訴訟を起こし、五億円以上の損害賠償を請求することになるだろう。さらに英国内における一切の公演活動を中止させる仮処分を申請するつもりだ。まったくふざけた話である」
芸能記者の一部には、これはQプロダクション、R企画などの妨害工作が功を奏したのだと考えたむきもある。もう少しうがったむき、たとえば、英国の有名な芸能記者・トニー・リゾーなどは、
「これはトムに、わざわざ日本に行ってやるんだという気持を起こさせるためのマネージャーの芝居だ」
と臆測した。
・・・・・・次号更新【来日中止騒ぎの真相(2)】に続く
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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。
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