虚業家宣言:康芳夫

二十世紀最大のロマン(1)

ここでカレンダーの日付を半年前の一月の時点に戻そう。

私がネッシー探検の企画を考え出したのはもう数年前、ちょうどクレイ戦のことで、アメリカと東京をあわただしく往復している時期だった。

クレイ戦のメドはすでについていた。次のトム・ジョーンズの来日もほぼ了解点に達している。

「次は何をやってやろうか」

私は、決して過去を振り返らないことにしている。常に物事を先へ、先へと考える。そうでなければ、こういう世界で生きていくのは難しい。

”呼び屋業界の最後の超目玉商品”と言われたプレスリーには、もう、一つの布石を打ってあった。あまり巨大過ぎて日本の呼び屋で、プレスリーに手を出した者はいなかったが、私なら、必ず呼べるという自信はあった。

だが、私が、このまま、ここでまたプレスリーを呼ぶのに全力を尽くすとなると、”呼び屋”康芳夫の名は不動のものになり、呼び屋の仕事が完全にルーティン・ワーク化してしまう。それは私の本意ではないのだ。虚業家に定職があってはならない。だいいち、それは本来の私にふさわしくない。

もっとフィクショナルな仕事、実体はなくてもいい、私が投じた石を中心にして世界中に波紋が広がり、世界が注目し、同時に巨大な金が動くものはないだろうか。

いわば二十世紀最後のロマンというようなものはないだろうか。私はそのことばかりを考え続けていた。

・・・・・・次号更新【二十世紀最大のロマン(2)】に続く

虚業家宣言 康芳夫 虚業家宣言 クレイをKOした毛沢東商法 バックナンバー

---

『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』

真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

---