二十世紀最大のロマン(2)
そして、まさにそういうときに私はネッシーに出会ったのである。
謎の怪物ネッシー。数千人の目撃者がおり、写真もありながら、生物学的な詳しいことは何一つわかっていない。
これこそ、二十世紀最後のロマソというにふさわしいではないか。
「これだ、これ以外にない」
クレイ戦を終え、トム・ジョーンズ日本公演のビジネスをかたづけながら、私は着々とネス湖探検隊の準備を進めていった。
英国との接衝。スポンサー探し。
英国との交渉が意外にやっかいだったのに反し、スポンサー探しは、これまでになくスムーズに進んだ。
現在の管理社会は緻密な計算の上に成り立っている。合目的的な経済原則が確立された社会で、そんな夢みたいな話に金を出す奴がいるもんかというのが世間の常識、大方の見方だった。
だが、そんな常識は私にとって打ち破るために存在しているようなものだ。
あるワンマン会社の社長は、ネッシーと聞くと日を輝かせて、「ぜひ、捕えろ」と言って、ポンとポケット・マネーから一千万円を出す約束をしてくれた。
私とは旧知のニューヨークの若い実業家も六千万円出してくれた。
ある資産家は、直接の見返りを要求せずに二千万円という大金を提供すると約束してくれた。
目標の二億円はなんなく集まりそうだった。
もちろん、彼らには彼らの思惑があったのは確かだ。あるいはパブリシティの一つと考えていたかもしれない。だが、それだけではなかったのも確かだ。
私がネッシー探検のことを打ち明けた、皆が皆、熱心に私の話を開いてくれた。それは、クレイのときの反応とも、トム・ジョーンズのときの反応とも違っていた。
そして、ぜひ私が書いておきたいのは、マスコミが悪意をもって騒ぎ出す以前には、
「そんなツマランことはやめろ」
と言った者は一人もいなかったということである。
管理社会の締めつけがキツくなればなるほど、人々は”夢”に飢え、”夢”を追い求めるものなのである。
・・・・・・次号更新【例によって吹きまくる】に続く
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