生存の可能性は五分五分（3）
私が隊員募集の広告に使った、例のネッシーが首を出している写真が撮られたのは一九三四年である。ケネス・ウィルソンという外科医の手になるもので、湖の北岸を車で飛ばしているときに岸から約ニキロほどの湖面に怪獣の首が出た。彼はシャッターを四回押したという。
フィルムは有名な化学者によって慎重に現像され、ここにネッシーの鮮明な姿が初めて現われることになった。写真はすぐに『デイリー・メイル』に発表されて、一大センセーションを巻き起こした。この写真にも手を加えたり、修正したりした跡のないことは専門家が証言している。
一九六◯年には航空技師ティム・ディンズデールが、フォイヤーズ河口沖を泳いでいるネッシーの映画撮影に成功。これは、六月十三日の夜、BBCで放映された。この映画はNTVでも放映されたから、あるいはご覧になった方もいるかもしれない。
このフィルムは、イギリス空軍の写真鑑定のエキスパート数人によって、一コマ一コマ徹底的に分析された上で、「生物体である」と結論が出されている。
ディンズデールは、その著書の中で、ネッシーを、白亜紀（一億二千万年前）に生きていた肉食の水棲爬虫類の一種プレシオザウルスによく似ていると証言している。
六一年にはもっと決定的な証拠らしきものまで出た。
・・・・・・次号更新【生存の可能性は五分五分（4）】に続く
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