クレイ中国行きは演出(1)

虚業家宣言:康芳夫

以後の準備はきわめて順調にすすんだ。

放映は東京12チャンネル。スポンサーも、電通が中に立って、サントリー、資生堂、GE、富士フィルムが各二千五百万円ずつの計一億円で請けてくれることになった。

宇宙中継の方はトップ・ランク社のロバート・アラムにまかせていたが、アメリカ、カナダ、メキシコ、韓国など二十数ヵ国への宇宙中継が決定した。これはボクシング界初のことだと言われる。

総売り上げは、シュワルツ副社長によると二百五十万ドルから五百万ドルと予想され、そのうちの四十パーセントがこちらに入ってくることになっている。

リングサイド三万円の前売券発売も二月中旬から始まった。

その間に前景気を煽り立てるために、また、私はいろいろな手を打った。事あるごとに記者会見を開いたのもその一つだが、二つだけ紹介しておこう。

一つは、三月二日に流れた、「クレイに逮捕状」のニュースである。

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クレイはブラック・モスレムに参加したあと、そのことが原因で妻のソンジさんと離婚していた。そして昨年九月、裁判所から四万四千ドルの生活扶助料を払うよう命令されていた。しかし支払い期限の二月九日までに入金せず、三月二日まで延期が認められていたが、この日までに払わなかったためノーマン・エイガー判事は、即日、逮捕状を発行した

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あるスポーツ紙など十段抜き、一ページのほとんどをツブして、このニュースを報道した。が、実はこのニュース、私とクレイが共同でデッチ上げたものである。クレイから慰籍料を払わねばならないということを聞いて、私が一芝居打ったのだ。なに、資産二十億円といわれるクレイに、たかが四万四千ドルなんていう端金、問題ではないのだ。

しかし、アッサリ払ったのではニュースにはならない。払わないで逮捕となればワッとくる。そう読んだ。

案の定、このニュースは世界中に流れた。

クレイ戦の宣伝費としたら、これほど安いものはないだろう。

もう一つが、クレイの中国行きというニュース。四月一日のフォスター戦のあと、国連の中国代表部を通じての招待で、クレイが中国を訪問するというニュースを三月十四日のロイター電が伝えた。

これも、中国との国交回復で中国ブームに沸く日本のマスコミがワッとばかりに飛びついてきた。

ある大手週刊誌など、田英夫を引っ張り出して、中国礼賛をやらせたのだから、これには、こちらの方が恐れ入ってしまった。

ケッサクだから、その一節を引用しておく。

・・・・・・次号更新【クレイ中国行きは演出(2)】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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