プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著)精神科医 川尻徹
もう一人の影武者(ダブル)とは、いったい誰か(2)
「そうだ。ヒトラーのように有名な人間なら係累に関してはすぐ調べがつきそうなものではないか。それなのにアロイスの息子と娘については記録がないのだ。これは意図的に抹消したとしか考えられない。そこで、もし彼が叔父であるアドルフ・ヒトラーのダブルになったとしたら、絶対に彼の存在した記録は抹消しなければならぬことになる」
「はあー・・・・・・」
ヒトラーがダブル操作を行なっていたのではないか−−−という疑問は、これまで多くの研究者が提示している。フィクションの世界では、ヒトラーのダブルをテーマにした映画や小説が幾つも発表されている。しかし、そのダブルが二人いて、一人は異母兄、もう一人はその息子、つまりヒトラーの知られざる甥であるという説は、まことに奇想天外というほかはない。
だが、川尻博士の推理はそれなりに理屈がとおっている・・・・・・。ただし、飛躍の幅がすごいので追いかけるのが大変なのだ。
しかも、中田がようやく追いつくと、博士はさらに飛躍するのだ。
「実はな、中田君。私はヒトラーの写真をもっと綿密に鑑定しているうちに、さらに驚くべきことに気づいたのだよ」
・・・・・・・・・次号更新【エバ・ブラウンとヒトラーは血族だった!?】に続く