プロデュース(康芳夫)
ノストラダムス(原作)
ヒトラー(演出)
川尻徹(著)精神科医 川尻徹
思いがけないニュース---「遺体は影武者だった」(1)
「待てよ。この川尻博士は精神科医だというんだろ。精神病患者を診察している医者が、自分でこんな誇大妄想的な説を捏ねあげたというのは、おもしろいじゃないか」
「そりゃ、おもしろいですけどね」
「おれは、あまりにもバカバカしいから、かえって信じをなるな。ノストラダムスの解釈だって、突飛は突飛だけど、それなりに納得できるじゃないか。写真からダブルの存在を判断するという方法を考え出しただけでも、たいしたもんだぞ」
「しかし、写真によるダブルの判断だって、あまりにも主観的ですよ」と福村。
「だけど、一九九九年、黙示録的な大変革が起きるのは確かだというのだろう?読者は意外についてくるかもしれないぜ。おれは、やってみる価値はあると思うな・・・・・・」
福村はなおも反論した。
「中田の聞いた話は序論で、まだまだ突拍子もない話が続きそうですよ。もう少し、現実味のある話にできるかどうか、検討してみないと・・・・・・。ただおもしろいだけじゃ、記事にはできませんからね」
記事にするかしないかの結論は、中田が体調を崩したこともあって、夏以後まで持ち越された。
・・・・・・・・・次号更新【思いがけないニュース---「遺体は影武者だった」(2)】に続く