アミン大統領(2):アミン大統領に眼をつける
一九七一年、当時のウガンダ大統領オボテがイギリス連邦首脳会議に出席中、陸軍司令官だったイディ・アミン少将が軍事クーデタを起こし、国会を停止して軍事政権を樹立した。アミンは一九七二年に、すべてのイスラエル人とウガンダ国籍を持たないインド系のアジア人約五万人(主としてイギリス国籍)の国外追放を命じ、彼らの財産のほとんどを没収した。この措置に抗議したイギリスや、追放された大統領オボテの亡命先のタンザニアやケニアとの関係が悪化し、ウガンダ軍隊内ではクーデタ未遂事件が頻発した。それに対抗するため、アミン大統領による強硬な国内反対派の弾圧、虐殺が激しさを増し、ウガンダ全土が殺戮の地と化したのだ。そして政府要職者の国外脱出が続出、一九七七年にはウガンダ教会大主教も殺害されて、国際的な非難の的となっていた。
・・・アミン大統領:続く