応募者二千人(3)
新聞広告が出て、三日間に、二千人を越える応募者があった。郵送では遅れをとるというので、ホテル・ニュージャパンの私の事務所に直接持参した人だけでも三百人はいる。
事拷局の電話は朝から鳴りっ放しで、係の者はトイレに行くヒマさえない。何度もヒューズがとんでしまった。そのために、急遽、電話を増設する始末であった。
応募者は、十四歳から六十三歳まで、学生あり、自衛隊員あり、ゲイボーイもいれば銀座のホステスもいる。それこそ、ありとあらゆる人が来た。自衛隊の現役幹部、三佐、むかしでいう少佐が応募して来たのには、さすがの私もびっくりした。潜水の専門技術を持っているからというのが、その三佐の自薦の弁だった。
最終的には七月三十一日の締切り日までに応募者はなんと三千人を越えた。なかに女性が七百人もいた。
これほど、私に賛同してくれる人間がいたとは、正直、意外な気がする。これほどまでに現代人は”夢”に飢えているのか。私が、自分の企画の成功の喜びとは別に、心の中に湧き起こってくる、ある種の寂蓼感をどうしようもなかったのも事実である。
このネッシー探検隊ほど、私の言うフィクショナル・ビジネスの定義にぴったりのものはない。ネッシーの実態は皆目定かでない。つまり虚実皮膜の間に在るものである。その定かでないもの、虚を実に転化することによって、私は莫大な金を動かし、その何パーセントかは自動的に私のフトコロにころがり込んだ。
もちろん、これまで書いてきたことからおわかりのように、私の目的は金ではないが、金というものはあって悪いものじゃないし、また、必要なときもある。
・・・・・・次号更新【二十世紀最大のロマン】に続く
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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』
真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。
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