虚業家宣言:康芳夫

生存の可能性は五分五分(2)

もともと、ネス湖に怪獣がいるという伝説はこの地方に数多く残っていた。

中でも有名なのは、イオナの僧院長であったコランバの伝記の記述で、『コランバ伝』の第二巻二十七章に、紀元五六五年頃、この付近を通ったとき、泳いでいた男が水棲怪獣に襲われて死んだという話が出ている。

この伝記の中に出てくる怪獣とネッシーの間には、きわめて音に敏感だったことを初めとして多くの共通点がある。

近代に入り、一九三◯年代になると、急に目撃例が増えてくる。その理由としては、その頃、ネス湖周辺に自動車道路工事が始まり、森林が切り拓かれたこと、道路の完成に伴い、観光客が増えたことの二つが考えられる。

一九三三年、初めて怪獣の写真が撮影された。フォイヤーズにある英国アルミ会社の一従業員・ヒュー・グレイという人が撮ったもので、湖畔を散歩していたときに二十五メートルほど離れた水面が白く泡立ち、水シブキを立てて怪獣がアバレ回っていて、その怪獣は水面に出ている部分だけで十ニメートルほどあったという。写真には水中で暴れている怪獣の背と尾らしきものが写っており、ネガに修正が加えられていないことは現像したコダック社の社員によって証明されている。

翌年、エドワード・マウンテン卿が、この未確認怪獣に挑戦しようと、二十人からなる調査隊を組織、何枚かの写真と十六ミリ・フィルムを撮ったが、ハッキリしなかった。

・・・・・・次号更新【生存の可能性は五分五分(3)】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』

真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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