音楽界へ乗リ出す(2)
一、世界的に超一流のシンガー、あるいはプレイヤーであること。
二、これまで一度も日本に来ていないこと。
そんな条件に当てはまるシンガー、あるいはプレイヤーは、さほど多くない。
最終的に私がピックアップしたのは、次の三つであった。
一、エルヴィス・プレスリー
二、トム・ジョーンズ
三、ローリング・ストーンズ
このどれも、ラスベガスで、あるいはロンドンで、私は実際に聞いて知っていた。三つのどれをとっても超一流であることに変わりはない。
呼ぶための困難も大同小異であろう。プレスリーは、すでに何人もの日本の呼び屋の執拗な誘いを断わり続けていた。
「聞きたけりゃ、アメリカに来い」
という態度は、それなりに筋が通っていると私は思う。
トム・ジョーンズは、今が脂の乗り切った全盛時代で、その人気は、エルヴィスをしのぐとさえ言われていた。だから公演のスケジュールは数年先までビッシリと組まれ、とても今から割り込むのはムリである。
ローリソグ・ストーンズ。これは、後に糸山英太郎クンが呼ぼうとして失敗したが、ミック・ジャガーの麻薬が必ず入国のときに問題になることは、マイルス・デイビスの苦い経験から、私にはわかり切っていた。日本の法律が変えられない限り、ちょっとムリ、というのが、私の親しくしている呼び屋A氏のアドヴァイスだった。
要するに、この三つはすべてどちらの条件にも当てはまるが、同じように困難が伴うというのである。
「まあ、どれ一つとっても、現状じゃ、不可能だろうね」
そう聞いたとたん、私は、トム・ジョーンズを日本に呼ぶことを決意していた。困難であればあるほど、私は内部から闘志が湧いてくる。
・・・・・・次号更新【セクシャル・アクションで女性を悩殺】に続く
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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。
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