虚業家宣言:康芳夫

二兎を追って二百万円損する(2)

売り値は三千万円。

ところが、私と『ラテン』側とが正式契約を交し、三千万円を受け取ることになっていたその当日、Qプログクション側が『ラテン・クォーター』にネジ込んだのである。

「山本さん、アナタも業界の人なら、仁義というもんがどんなもんか知らんわけじゃないでしょう。うちでもトム・ジョーンズぐらい、いつでも呼べるだけの力は持ってるつもりです。ただ、おたくが、それだけの金を出さなかったから、入れなかっただけですよ。山本さん、フランク・シナトラを入れたとき、一千万のギャラを渋ったのはアナタですよ。それをアナタ、三千万とは。よくもうちの顔に泥を塗ってくれたもんですな。もし、あくまでトムを入れると言うのなら、うちにも考えがある。今後、一切、うちからは入れないようにしますから」

こちらは、午後十時に契約をし、すぐにトム側に金を渡す手筈になっていたのが、これですっかり、ぺースを狂わされてしまった。

自分のところでは、呼ぶ実力もないくせに、人が何かやるのはどうにもガマンできない、どんな手段を使っても邪魔するというのだから、始末におえない。しかも、それがこの世界では一応名の通ったQプロダクションのやることなのだから。

・・・・・・次号更新【二兎を追って二百万円損する(3)】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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