『諸君!』昭和57年(1982年)11月号:衝撃の新事実!三島由紀夫が絶賛した戦後の一大奇書『家畜人ヤプー』の覆面作家は東京高裁・倉田卓次判事

康芳夫、沼正三(『家畜人ヤプー』原作者)を語る(2)

僕はまず、『奇譚クラブ』の発行者である箕田さんに接触したわけ。箕田さんはたいへんな大金持ちで、北浜の大相場師でね。彼は別にSでもMでもない人なんだけど、関西には面白半分にそういうスポンサーになる人がいるんだよ。

だけど作家の秘密厳守で、「絶対に教えない」と。それは沼さんに限らず、当時そこに書いてる人の中には弁護士とか色んな人がいますから。ただ、箕田さんにはあるやっかいな筋を通して会いに行ったの。そうしたら絶対条件として「自分から教えたことを言うな」と。それで、箕田さんから沼さんに「こういう人が来てますが」ってことで、向こうから僕に連絡をもらって会うことになったわけ。

当時ヤプーには大変なファンがついてたから、みんな箕田さんのところに押し掛けたわけだよ。でも、箕田さんは絶対教えなかった。オレはたまたまだけど、箕田さんの信用を得たというか、それ以上はやっかいな話になるから今は言わないけど。

・・・『虚人と巨人 国際暗黒プロデューサー 康芳夫と各界の巨人たちの饗宴』より抜粋

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