康芳夫、沼正三(『家畜人ヤプー』原作者)を語る(2)
僕はまず、『奇譚クラブ』の発行者である箕田さんに接触したわけ。箕田さんはたいへんな大金持ちで、北浜の大相場師でね。彼は別にSでもMでもない人なんだけど、関西には面白半分にそういうスポンサーになる人がいるんだよ。
だけど作家の秘密厳守で、「絶対に教えない」と。それは沼さんに限らず、当時そこに書いてる人の中には弁護士とか色んな人がいますから。ただ、箕田さんにはあるやっかいな筋を通して会いに行ったの。そうしたら絶対条件として「自分から教えたことを言うな」と。それで、箕田さんから沼さんに「こういう人が来てますが」ってことで、向こうから僕に連絡をもらって会うことになったわけ。
当時ヤプーには大変なファンがついてたから、みんな箕田さんのところに押し掛けたわけだよ。でも、箕田さんは絶対教えなかった。オレはたまたまだけど、箕田さんの信用を得たというか、それ以上はやっかいな話になるから今は言わないけど。
・・・『虚人と巨人 国際暗黒プロデューサー 康芳夫と各界の巨人たちの饗宴』より抜粋
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今もなお、沼正三=倉田卓次説があるのは森下小太郎が、『諸君!』(82年11月号)に発表した〈三島由紀夫が絶讚した戦後の一大奇書『家畜人ヤプー』の覆面作家は東京高裁・倉田卓次判事〉と題した論考のせいである。 https://t.co/whGYADxOFe #家畜人ヤプー #康芳夫 pic.twitter.com/PLA4daTSCY
— 康芳夫(国際暗黒プロデューサー) (@kyojinkouyoshio) November 2, 2017
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