虚業家宣言:康芳夫

厳しい許可条件(1)

私にはやらなければならないことがごまんとあった。

スポンサー探しとともに、英国の関係省庁から許可を得ることが、新聞の悪意ある報道で難しくなっていた。

関係筋への届けを、私は、トラブルを予想して、『ネス湖学術調査隊』としておいた。

それにもかかわらず、新聞が、捕まえて殺すとか生け捕りにして殺すとか報じたために、当局をいたく刺激してしまったらしい。あるいは、英国民の反日感情を考慮に入れたのかもしれない。

英国外務省、それにネス湖を管理するスコッチ・オフィス(スコットランド政庁)がやんわりと断わってきたのだ。ハッキリ拒否するとは言わないが、「歓迎しないであろう」と言うのである。いずれにしろ、「来てほしくない」ということは確からしい。

私はあくまで”学術調査”で押す作戦に出た。

「私自身は確かに呼び屋といわれた男だ。しかし、今回のこの探検隊は純粋に学問的なことを目的にしたもので、ユーたちの危惧するようなことは少しもない」私はそう言った。

権威づけの意味もあって私は、小松左京氏、黒川紀章氏らに顧問団に入ってもらうことにしていた。

もっとも黒川さんは新聞に、

「私もネッシーはいてほしいと思っているんです。もし生け捕りにできたら、その檻は私が設計します」

などと、放言してしまって逆効果だったみたいなこともあるが。

・・・・・・次号更新【厳しい許可条件(2)】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』

真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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