虚業家宣言:康芳夫

米国記者と英国記者のイガミ合い(3)

傑作だったのはアメリカの記者とイギリスの記者のイガミ合いだった。

アメリカの記者の方は、初めっからネッシーを捕えるという前提に立って、やれ、どうやって捕えるのか、捕えたらどうするのかなんてことばかり聞いてくる。

「ほんとは、銃なども隠し持って来ているのではないか。どういう道具を持って来たのだ」

そのたびに十四、五人いたイギリスイ記者は顔をシカめていた。

「そんなことは法で禁じられているんだぞ、クダラン質問ばかりするな」

「何っ!あんたたちはロマンがわからん人間ばかりだナ」

「私は、もしネッシーを見つけても、女王陛下の許可がなければ捕獲はしない」

「許可があれば捕えられるか?」

「もちろんだ。許可さえあれば捕える自信は十分ある。そして、その場合には頭から尻尾の先まで五等分して、頭は女王陛下に、胸は日本の天皇陛下に。彼は生物学者だから、ネッシーには多大の興味を示されると思う。そして、胴は中国の毛沢東主席に、足はニクソン大統領に、尾は母国の蒋介石総統に進呈させていただく。大いに国際親善にも役立つではないか」

これでまたアメリカ人記者は大喜び。英国人記者は苦虫をカミつぶしたような表情。

私は勢いを得て吹きに吹いた。

「そうだ、私は、アン王女のご成婚のプレゼントとして、十一月中に、アン王女にネッシーの写真をプレゼントすることを約束しよう。ここにいる記者諸君が、この約束の立会人である。忘れずに覚えておいてほしい。私は約束は必ず守る男だ」

結局、記者会見は、初めから終わりまで、私のペースで終始した。

・・・・・・次号更新【水中の視界ゼロ】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』

真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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