虚業家宣言:康芳夫

水中の視界ゼロ(4)

隊員のひとり富山クンは、そのとき知り合ったスコットランド女性と恋愛、近く日本に呼んで結婚することになっている。ネッシーが取り持つ縁というわけだ。

九月二十五日には、総隊長の石原慎太郎さんもネス湖に到漕。士気、大いに上がった。

結局、ネス湖にはニカ月半いた。

十一月十九日、調査活動を中止。これは季候的にちょっと無理になったためで、できるだけ早い機会にもう一度、調査再開の予定である。

日本へ帰る私たちの乗った北極回りのジャンボ機は、ネス湖の真上を飛ぶ。機上から見るとコーヒー色した、細長いネス湖はすぐにわかった。

とうとうネッシーは、その影さえ見せてはくれなかった。

だが、私の心は自分でも意外なほど明るかった。私は私のフィクショナル・ビジネスを、また、やり遂げたのだ。私は”ホラ”一つで、二億円近い金を動かしたのだ。

私は、ネッシーはいるのかと問われれば、いると答え、いないのかと訊ねる人には、いないでしょうねと答える。私にとって、ネッシーがいようがいまいが、もはや問題ではないのだ。

・・・・・・次号更新【第八章 虚業商法十カ条】に続く

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『虚実皮膜の狭間=ネットの世界で「康芳夫」ノールール(Free!)』

真の虚業家の使命は何よりも時代に風穴を開け、閉塞的状況を束の間でもひっくり返して見せることである。「国際暗黒プロデューサー」、「神をも呼ぶ男」、「虚業家」といった呼び名すら弄ぶ”怪人”『康芳夫』発行メールマガジン。・・・配信内容:『康芳夫の仕掛けごと(裏と表),他の追従を許さない社会時評、人生相談、人生論などを展開,そして・・・』・・・小生 ほえまくっているが狂犬ではないので御心配なく 。

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